クラブ通ってると、DJブースのところに手書きで「DJブース越しに乾杯したら殺す」って貼ってある店、見たことある人多いと思います。
これ、冗談半分・本気半分です。冗談半分の「殺す」と、本気半分の「機材壊したら本当に終わり」、両方含んでます。
機材の値段を知ると意味が変わる
DJ機材の値段、これ知ると貼り紙の重みが分かる:
- Pioneer CDJ-3000(現役の標準機): 1 台 28-32 万円
- Pioneer DJM-A9(ミキサー): 1 台 45-55 万円
- 標準セット(CDJ × 2 + DJM × 1): 約 110-130 万円
- レーザー・照明込みのブース全体: 200-500 万円
これフロアにポンと置いてある。
ドリンク 1 杯こぼれて、CDJ のフェーダーや内部基盤がショート → 修理は基盤ごと交換で数万〜十数万、最悪修理不能で買い替え。
しかも、その夜の DJ プレイは止まる。これ箱とオーガナイザーへのダメージも甚大です。
「殺す」貼り紙は実体験から生まれてる
なんでわざわざ「殺す」って書く必要があるかと言うと、過去にやらかした客が実際にいるから。
私が知ってる範囲だけで、過去 4 年で「ブース越しに乾杯しようとして CDJ にビールこぼした」事件 3 件、「ブース横にカクテル置いてて誰かに肘当てられて倒れた」事件 5 件、聞いてます。
DJ・スタッフ側は「絶対防げる事故」だから余計に怒る。ヒューマンエラーで百万円が消える、これ箱の人にとっては悪夢です。
なので、貼り紙でわざわざ凶悪な文言にしてる。冗談トーンに見せかけた本気の警告。
ブース越し乾杯がダメな理由
「ブース越しに乾杯」って具体的に:
DJ がフロア向きにブース内で機材を触ってる。
お客さんが嬉しくて、フロアからグラスを差し出す「乾杯!」のジェスチャー。
DJ もグラス上げて受ける、両方のグラスが機材の上で揺れる。
ジョッキが当たって倒れる、こぼれて機材に流れる、ショート。
ここの全工程が、機材の上空でグラスが動くという事故待ちの構造。
DJ 側からすると、お客さんの「乾杯したい」気持ちは嬉しいけど、機材が頭をよぎって笑顔が引きつる、これが現場のリアルです。
もっとやりがちな「ブース横にドリンク置く」
実は「ブース越し乾杯」よりずっと多い NG が、これ:
DJ ブースの横の段差、棚、スピーカーの上、こういう「ちょうどいい高さの平面」にドリンク置く。
理由は単純で:
- フロアで踊りながら手が疲れた
- バーカウンターから遠い
- 「ちょっとだけ置きたい」
これ全員思うやつ。
でも、ブース周辺の振動はめちゃくちゃ強い。ベース音で物理的に振動する。
加えて、踊ってる人たちの肘・カバン・髪が引っかかる距離。
5 分置いてる間に倒れる確率、本当に高いです。倒れた先が CDJ・ミキサー・スピーカーアンプ、全部ヤバい。
フロアスピーカーの上もアウト
ブース周辺だけじゃなく、フロアの中央や角に置いてあるスピーカーの上、これもアウト:
スピーカーは低音で激しく振動 → 置いた瞬間からドリンクが動く → コップ倒れる → 中の音響機器に水濡れ。
スピーカー 1 台で 10-30 万、内部のドライバーユニット破損したらアウト。
「テーブル代わりに使えるじゃん」って思った瞬間、絶対やめてください。
どこに置くのが正解か
じゃあドリンクどこに置くか:
- バーカウンター(常に正解)
- フロア奥の壁際にあるカウンタースペース(設けてある箱多い)
- 自分の手の中(踊りながら持っとく)
- 友達に持ってもらう
これだけ。
「フロアど真ん中で誰の動線にも干渉しない平面」って、実は存在しない。だから手に持つか、バーカウンターに戻すか、二択になります。
飲み終わったグラスの位置も大事
これも地味に重要:
飲み終わった空グラス、フロア中央の床に置く人いるけど、これも踏まれて割れる事故になる。
バーカウンターか、店員が回収しやすい場所(壁際)に戻すのが正解。
カウンターまで戻るのが面倒な時は、踊りながら手に持ったまま、近くにいるスタッフに「すいません、これお願いします」で渡す。これ普通の振る舞いです。
万が一こぼしてしまったら
私の知ってる事例で、結末が真逆だった 2 つを比較:
ケース A(良い対応): ブース横でグラス倒した客が、即 DJ に「すいません、こぼしました、機材大丈夫ですか」。DJ・スタッフが拭いて確認、機材は無事だった。客は「次は気をつけます」と言って、その後も普通にその箱に出入りできてる。
ケース B(悪い対応): スピーカーにビールこぼした客、慌てて逃げる → スタッフが防犯カメラで特定 → SNS で「こいつ出禁」と顔写真公開(これは強行な箱だけ)→ 修理代 8 万請求 → 払って二度とその箱に入れない。
差は最初の 30 秒、隠したか申告したか。
機材壊した方も、隠さず申告すれば「修理代どうしましょう」の話で済む。最悪の場合でも、お互いの保険・分担で解決できる。
逃げると、悪意の証拠になって対応が硬化します。
「殺す」貼り紙はお守りでもある
最後にちょっと前向きな話:
「DJブース越しに乾杯したら殺す」って貼ってある箱は、過去にやらかした人がいた → でも今後は防ぎたい → だから明示で書いてる、っていう箱の意志表示でもあります。
きちんと機材を守ろうとしてる箱、つまりサウンドにこだわってる箱です。
その貼り紙がある箱は信頼していい、いい音で遊ばせてくれる場所、っていう逆読みもできる。
私はその貼り紙見るたびに「いい現場だな」って思うようになりました。
まとめ
DJ ブース周辺のドリンク事故、知っとくと一生やらかさない:
CDJ・ミキサーは 1 台数十万、こぼれたら即死。
「ブース越し乾杯」と「ブース横・スピーカー上にドリンク置く」が二大事故パターン。
正解の置き場所はバーカウンターか手の中、二択しかない。
万が一こぼしたら、隠さず申告。これで明暗分かれます。
「殺す」貼り紙は、いい音にこだわる箱の意思表示。リスペクトして遊ぼう。