FIELD NOTE シーン文化

DJってどれくらい練習したら出れる?

昔は先輩のレコード運びから。今は DDJ で半年、スマホでも回せる時代。初オープニングまでの実際の練習量と機材選びをシーンの内側から解説。

DJってどれくらい練習したら出れる? — Pixabay
Photo by Sammy-Sander on Pixabay

「DJ ってどれくらい練習したら出れるんですか?」これ、シーンに通い始めた人から本当によく聞かれる質問です。

結論を先に言うと、半年が目安。ただ、もっと短い人もいるし、長くなる人もいる。「半年やったら自動で出られる」わけじゃないので、内訳を解説します。

昔と今で全然違う

少し時代の話を。10〜20 年前のシーンだと、DJ になるルートはこんな感じでした:

先輩について現場に行く。レコード運びや機材セッティングを手伝う。

バイトでお金を貯めて、中古ターンテーブル 2 台と DJM (ミキサー) を揃える (10 万〜)。

先輩から要らないレコードを安く譲ってもらう、レコード屋に通う。

家でひたすら 2 枚使いの練習、半年〜1 年。

これ、参入障壁が高かった。お金と時間と人脈、全部必要。

今は全然違います。

入門コントローラー (Pioneer DDJ-200、DDJ-FLX4 など) が 3〜6 万円。Rekordbox や Serato は無料で使える。

PC さえあれば、自宅完結で練習できる。

スマホ DJ アプリ (djay、rekordbox スマホ版) でも、基本のミックスは作れる。

YouTube に無料チュートリアルが山ほどある。

シーンの先輩いわく、「今の若手は半年で昔の 1 年分くらい上達してる」とのこと。機材と情報のアクセスが格段に良くなったからです。

練習期間の目安

実際のところ、半年が目安と書いたのは、こういう内訳です:

最初の 1 ヶ月: 機材の操作を覚える。BPM 合わせ (シンクボタン使っても OK)、エフェクト、EQ、ヘッドフォン使い分け。

2〜3 ヶ月目: 1 ジャンルでミックスが作れる。30 分〜1 時間のセットを家で通せる。

4〜6 ヶ月目: 流れを意識した選曲、抜き差し、フロアを想像した構成。SoundCloud / Mixcloud にミックスを 2〜3 本上げてる状態。

これで「初オープニング枠 30 分」は十分こなせます。フロアにお客さんも少ない時間帯だし、ミスしても許される枠。

逆に、メインタイムやレジデント DJ レベルになると、もっと時間がかかる。1〜3 年は見てください。

「初 DJ」演者って実は普通にいる

意外と知られてないんですが、1 イベントに 1 人くらいは「これが初 DJ です」って演者が立ってる現場、本当によくあります。

特に小箱 (キャパ 50〜100 人) のオープニング枠 (22:00〜23:00 とか) は、新人デビューの定番。主催側も「初 DJ なんで応援してあげて」って雰囲気で迎える。

つまり、「もっと練習してから…」って 1 年延ばすより、3〜6 ヶ月でもとりあえずオープニングで出る方が、シーンへの定着が早い。これは 呼ばれる側になる方法 でも書いた通り。

機材選びのリアル

「何を買えばいいですか?」も鉄板の質問。今のシーンの主流はこんな感じ:

入門用コントローラー (PC 接続式)

標準的なクラブ機材 (現場で使うやつ)

スマホ + コントローラー

最初は DDJ-FLX4 か DDJ-400 が無難。クラブの現場で標準的に置いてある CDJ レイアウトと近いので、いきなり現場で困らない。

DJ 始め方 でも触れたとおり、家で完璧に揃える必要は無いです。コントローラー + ヘッドフォン + ノート PC で十分。

ヘッドフォンと音源

機材本体以外に必要なのが、ヘッドフォンと音源。

ヘッドフォン: クラブ DJ 用のモニターヘッドフォンが必要。1 万円帯から:

普通の音楽鑑賞用ヘッドフォン (Sony WH-1000XM5 みたいなノイキャン系) は DJ には向きません。

音源: Spotify は DJ ソフトと直接連携できないので、別ルートで集める必要があります:

最初は月 5,000 円くらい音源予算を見ておくと良いです。

半年で出るために、月にやること

具体的に、半年で初オープニング枠に立つための月次プラン:

1 ヶ月目: コントローラーと PC を買う、Rekordbox インストール、音源を 30 曲集める。基本操作を覚える。

2 ヶ月目: 1 ジャンル決めて (House、Techno、HipHop、Drum’n’Bass など)、そのジャンルで 30 分ミックスを録音する。

3 ヶ月目: ミックスを SoundCloud / Mixcloud に上げる。1 ヶ月 1 本ペース。

4 ヶ月目: 通ってる主催チームに「DJ 練習してます」って話を出し始める。打ち上げや SNS DM で軽く。

5 ヶ月目: ミックス 3 本目を上げる。主催から「聴かせて」と言われたら渡す。

6 ヶ月目: 「次のオープニングどう?」が来たら即決で受ける。

このタイムライン通りにいかないこともあります。練習頻度や、通ってる箱との相性で前後する。でも、「シーンに通いながら家で練習する」両輪が回ってれば、半年でほぼ確実にチャンスは来ます。

まずは機材より、聴く耳

最後に大事なこと。半年で出るより、半年聴き込む方が重要。

家でひたすらコントローラー触っても、自分が好きなジャンルの「いい流れ」が分かってないと、フロアで意味のあるミックスにならない。

通ってる現場で、レジデント DJ がどう曲を繋いでるか、どこで盛り上げてるか、ちゃんと耳を傾ける。それが家の練習と相互に効いてきます。

音楽詳しくないけど DJ できる? の記事でも書きますが、シーンの音は「聴いて覚える」のが基本。本やネット記事じゃ得られない感覚です。

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ここまで読んだら、現場を見るのが早い

整理した内容は、フロアに立ってはじめて腑に落ちます。今夜の観測から近い時間・近い箱を選んでみてください。

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