「DJ パーティー行きたいんだけど、フライヤー読んでも分からん単語ばっか」っていうの、めっちゃ分かる。シーンって妙に専門用語が多くて、知らないだけで疎外感あるんですよね。
なので、東京の現場で実際に聞こえてくる 45 語だけ、省略形と使用例つきでカテゴリ別にまとめました。全部覚える必要はないです。ピンと来たやつだけ拾って、残りは現場で耳に入ったタイミングで戻ってきて引いてください。
箱(はこ)まわり
ハコ
クラブの俗称。語源は文字どおり「箱」。中身は人間と低音と、ちょっとした諦め。
使用例: 「今日どこのハコ?」「あのハコの音やばいよ」
小箱/中箱/大箱
キャパでの呼び分け。小箱は 100〜200 人、中箱は 300〜500 人、大箱は 1,000 人以上。小箱は「100 人で満員、150 人でパンパン、200 人で『これ消防法は?』」ってなる規模感。詳しくは クラブの種類。
使用例: 「今日は小箱でこじんまりやるよ」
メインフロア
フロアが複数ある大規模なクラブの中でも、一番大きい主力のステージ。ヘッドライナーとピークタイムは大体ここ。
使用例: 「3 時にメイン集合で」
サブフロア
メインとは別に設けられた小さめのフロア。メインフロアとは違うジャンル、少し落ち着いたジャンルがかかったりする。マニアックな夜やオルタナな選曲はだいたいこっち。
使用例: 「サブ覗いたらいいハウスやってた、最高」
DJ ブース
DJ が立つ場所。台が高くなってて、客側からは半隔離されてる構造が多い。「ブース前」=「最前」のニュアンス。
使用例: 「ブース前で踊ってくる」「ブース越しに乾杯したら殺されるぞ」
クローク
荷物預け。コインロッカーがないクラブだとここに預ける。コートと一緒に良心も預けてください、とは言われない。詳しくは コインロッカー・荷物事情。
使用例: 「クローク 500 円だから上着預けてくるわ」
チケット・お金
前売り/当日(ADV / DOOR)
フライヤーや SNS で「ADV ¥3,000 / DOOR ¥3,500」みたいに併記される。前売りの方が 500〜1,000 円安いことが多い。
使用例: 「ADV 取った? DOOR は地味に痛い」
ドアチャージ(ドアチャ)
入場料そのもの。当日いちばん飛び交う質問は大体これ。
使用例: 「今日のドアチャいくら?」
ドリチケ(ドリンクチケット)/1D・2D
入場時に渡される 1 ドリンク券。「1D」=「1 ドリチケ込み」、「2D」=「2 杯ぶん込み」。フライヤーに「+1D」と書いてあったら「ドアチャ + ドリンク代を別払い」の意味なので注意。
使用例: 「ADV ¥2,500 +1D だから実質 ¥3,200 ね」
ゲストパス
オーガナイザーや DJ がフロアに「無料 or 割引で呼べる」枠。受付で「DJ◯◯のゲストです」って言うと安くなる。もちろん嘘はバレる。仕組み全部は ゲストパス制度 に書いた。
使用例: 「○○ さんのゲストで入れてもらった」「ゲストあるから遊びに来てよ」
フライヤー割
当日フライヤーを持参すると割引。今はオンライン事前登録やSNS予約が多くなって、あまり聞かなくなった。
使用例: 「フライヤースクショ見せたら ¥500 引きだった」
ノーゲス
「ノーゲスト」の略。DJが誰もゲストを呼べなかったという状態。死活問題なので、イベント行くならなるべくゲストで入ってあげてください。
使用例: 「今日はノーゲスだったヤバい」
ボトル席/VIP
立つのが当たり前の大型クラブで、ゆったりしたソファーに着席できる + ボトル予約のエリア。金持ちそうな人が若い女の子をはべらしている。クラブやイベントによって金額が全然違う。詳しくは VIP 席の招待ダイナミクス。
使用例: 「VIP 取ったから来ていいよ」
出演者・スタッフ
レジデント(DJ)
その箱やイベントに専属で定期的にプレイするDJ。クラブに雇われている社員レジデントもいれば、月1ペースで出る外部レジデントもいる。「レジデントDJ」って言ったらそのイベント・クラブの主力DJみたいな存在。
使用例: 「あのDJはレジデントだからいつもいるよ」
ゲスト(DJ)・外タレ(外人タレントDJ)
そのイベント限定で招聘された出演者。フライヤーにデカく載ってる。大体そのジャンルの有名DJや、外国から呼び寄せている。外タレとも言う。
使用例: 「今日のゲスト誰?」「今日は外タレイベントだから人多い」
ヘッドライナー
そのイベントの主役。一番沸く時間(ピークタイム)に乗ることが多い。「ヘッドライナー目当てで来たけど人多すぎて見えない」はシーン全員に経験ある事故。
使用例: 「ヘッドライナー目当てで行く」
オーガナイザー/イベンター
イベントを企画・運営する人。出演者選定、フライヤー、集客、当日仕切りまで全部見る。フライヤーに「Organized by ○○」って書いてあったらその人がボス。一番苦労している。
使用例: 「このイベントのオーガナイザーの◯◯さん紹介するわ」
VJ
Visual Jockey 映像担当。DJの流す音に合わせて壁面やスクリーンに映像を流す担当。DJのように目立つことはなく、地味だけどとても重要な存在。VJ良かった夜は記憶への残り方が一段上がる。VJの違いまでわかるようになったら、クラブ上級者。
使用例: 「VJの映像、今日マジで良くなかった?」
MC
DJに合わせて、フロアでマイクを取ってお客さんを煽る担当。DJが兼任している場合もある。
使用例: 「今日MC入るんだ、賑やかになりそう」
フロアガール
VIP卓まわりやお酒のオーダー、配膳などを担当する女性スタッフ。客との会話・イベントの盛り上げが主な役割。店ごとの呼び方・役割の違いは フロアホスト で。
使用例: 「あのフロアガールかわいい、声かけてみようかな」
テキーラガール(テキガ)
テキーラのショットを売り歩く店内スタッフ。フロアガールと違ってオーダーを取ったりはせず、フロアを回り続けるのが基本。詳しくは テキーラガール文化。
使用例: 「テキガ来た! 飲む?」
セキュリティ
入口の入場チェックや店内トラブル対応を担当するコワモテの警備スタッフ。ガタイのいい外人のバイト。話してみると優しい人が多い。詳しくは クラブのセキュリティスタッフ。
使用例: 「ナンパウザすぎ!セキュリティ呼ぶ?」
プレイ・音
タイムテーブル(タイテ)
どのDJがいつ回すのか示した時間枠。1人1回、45-60分が標準。
使用例: 「タイテみた?ヘッドライナー何時からだっけ?」
B2B(back to back)
2人以上の DJ が交互に曲をかけるセット。「○○ B2B △△」って表記。仲良しDJ同士が多い。
使用例: 「○○ B2B △△、今夜の目玉」
オープン/オープニング DJ
その日いちばん最初に回すDJ。お客がまだ少ない時間で、フロアの空気を作る役目。「オープンが上手い人ほどシーンに信頼されてる」っていうのは結構ガチ。
使用例: 「オープン早めに行って空気作りから見たい」
クロージング
朝方の最後の DJ。残ったコアな客の前で、ゆっくり余韻ある選曲をするのが定番。閉店時間にどういう音の止め方をするのか。これは1日1回しかない通好みのポイント。
使用例: 「クロージングまで残ろうかな」
ピークタイム
その夜で一番フロアが沸く時間帯。土日の東京クラブだと深夜 1〜3 時くらいに来る。
使用例: 「ピーク何時くらい?」
アンセム
そのジャンル/その箱の「これ流したら絶対沸く」有名な定番曲。鳴った瞬間にフロアが「おおおお」ってなる。知らないと「勉強します」ってなる。
使用例: 「アンセム来た!ぶち上がるわ!!」
てっぺん
深夜0時のこと。
使用例: 「てっぺん回ってからが本番だよな〜」
ID (IDentification/IDentity)
未リリースの「未発表曲」のこと。曲の詳細(名前、アーティストなど)がわからない場合に、ID(identification)という言葉を代用することもある。
使用例: 「あの ID 教えてほしい……」
ドロップ
ビルドアップで溜めたあと、ベースとキックが一気に落ちる瞬間。フロアが爆発するポイント。両手上げる派が必ずいる。
使用例: 「ドロップ気持ちよすぎた」
ブレイク
曲の中で一旦リズムが抜ける部分。次のドロップへの溜めにあたる。ブレイク中に話しかけられがち、会話続かないと音戻ってきて救われがち。
使用例: 「ブレイク長いセットだな」
ビルドアップ
ドロップ前の盛り上げパート。シンセが上に上に伸びていく、あれ。「いつ落ちるんだ……いつ落ちるんだ……」って耐えてる時間。
使用例: 「このビルドアップ、長すぎん?」
ミックス
2 曲を繋ぐ作業のこと。途切れずに次の曲に移行する技術。ミックスが綺麗な DJ は地味に通好み。
使用例: 「今のミックス、職人技だった」
BPM/4 つ打ち
BPM は 1 分間のビート数。「4 つ打ち」はキックが 1 拍ずつ鳴るパターン(ハウス、テクノ、ディスコの基本)。「BPM 130 まで」って言われたら、テクノだなって察する。詳しくは 音楽ジャンル入門。
使用例: 「今日 BPM 速め?」
機材
CDJ
Pioneer DJ (Alphatheta) の業界標準プレーヤー。USB から音源を読み込んで再生する。ほとんどのクラブにはこれが 2 台以上ある。1台42万円だから大切に扱おう。
使用例: 「ここ CDJ-3000X だから音ええな〜」
ミキサー
CDJ 2 台の音を切り替え・混ぜる本体。クラブの常設は Pioneer DJ (Alphatheta) の DJM シリーズか、Allen & Heath の Xone シリーズが多い。「Xone:96 ある夜」は音にうるさい客が集まりがち。
使用例: 「ミキサー Xone:96 だってさ、行くしかない」
ターンテーブル
レコードプレーヤー。クラブには Technics SL-1200 系が常設されてることが多い。「ターンテーブル 2 台あります」と書いてある箱はアナログ DJ ウェルカム宣言。
使用例: 「今日はターンテーブルで回す」
PCDJ
ノート PC と DJ ソフト(Serato / rekordbox / Traktor)でプレイするスタイル。USB を CDJ に挿す代わりに、PC を直接ミキサーに繋ぐ。「PC 落ちた瞬間に無音になる」リスクと隣り合わせ。
使用例: 「最近 PCDJ に移行したわ」
バイナル・アナログ DJ
レコードのみでプレイする DJ。「バイナル」は vinyl の英語読みカタカナ。デジタル全盛の今、逆に渋くてカッコいい立ち位置として再評価されてる。
使用例: 「あの人バイナルオンリーで回すんだ、渋い」
イベント形式
オールナイト
夜 10〜11 時から朝 5〜10 時まで通しでやるパーティー。東京のクラブの基本形態。「オールで遊んできた」=「クラブ朝までいた」の意味。
使用例: 「土曜オールで行く?」
デイイベント
昼〜夕方にやるパーティー。終電を気にしなくていい、お酒控えめ層も来やすい。「30 代になってデイイベントの良さが分かった」って人、本当に多い。
使用例: 「日曜デイイベあるらしい」
バースデーバッシュ
DJ・オーガナイザー本人や常連の誕生日を祝うパーティー。フロアでケーキ出して「Happy Birthday」流す、あれ。
使用例: 「今週末 ○○ さんの Birthday Bash、行くよね?」
OPEN AIR/野外
屋外でやるイベント。BBQ広場、屋上、テラススペースなど。音の広がり方が室内とは少し違うぞ。
使用例: 「今週末野外あるってさ」
リリースパーティー(リリパ)
DJ/プロデューサーが新譜を出すタイミングで開く記念イベント。
使用例: 「○○ のリリパ、出演者豪華」
カウントダウン
大晦日〜元旦に通しでやるパーティー。年越しをフロアで迎える文化。「今年もフロアで年明けた」が新年の挨拶になる。詳しくは カウントダウン。
使用例: 「カウントダウンどこ行く?」
全部覚えなくていい
冒頭でも書いたけど、初回はぶっちゃけ 「ドリチケ」「ゲスト」 だけ分かれば困らないです。残りは現場で耳に入ってきたタイミングでこの記事に戻ってきて引けば十分。
「全部知ってないと入っちゃダメ」みたいなノリ、シーン側は誰も持ってないので安心してください。隣の人に「これどういう意味?」って聞くのも、シーン内じゃ普通の振る舞いです。
次に読むなら
- クラブの種類 — 小箱・大箱・DJ バーの違い
- はじめての東京クラブ — 初回ガイドの本体
- 音楽ジャンル入門 — ハウス/テクノ/ベース系の聴き分け
- クラブの料金体系 — ドアチャージ / ドリチケまわり
- ゲストパス制度 — 無料招待の仕組み