「クラブの音楽って、ハウスとかテクノとか、結局何が違うの?」っていう質問、ホントによく聞かれます。これ、聴き分けられるようになると、夜の選び方が劇的に変わるので、ざっくりだけど主要ジャンルを整理しときます。
まず、4 つ打ちっていう共通項
クラブで流れる音楽の多くは「4 つ打ち (Four-on-the-floor)」って言って、キックドラムが「ドン、ドン、ドン、ドン」って 1 秒あたり 2 回くらい鳴ってるリズム。
ハウスもテクノもディスコも、基本これ。これの上に何が乗ってるかで、ジャンルが分かれる。
4 つ打ちじゃないジャンル (ドラムンベース、ジャングル、ヒップホップ、ダブステップ等) は別系統。
ハウス — 跳ねる、温かい
ハウスは 「跳ねるリズム + 人間っぽい温度」のジャンル。
特徴:
BPM 120〜128 くらい (中速)。
シカゴ発祥、80 年代から。
歌モノ、ピアノ、ストリングス、人間的な要素が混ざる。
ボーカルサンプル、コーラスが多い。
聴いてると肩・腰を揺らしたくなる。
代表的な箱・夜:
Bar Bonobo、Aoyama Tunnel、Ruby Room あたりがハウス強め。
「ディープハウス」「ガラージハウス」「ジャージークラブ」みたいなサブジャンルが多くて、それぞれちょっと違う。
ハウスは「踊って楽しい」が前面にあって、ハードル低めのジャンル。
テクノ — 直線的、機械的、没入
テクノは「直線的なリズム + 機械的なテクスチャ」のジャンル。
特徴:
BPM 125〜140 くらい (ハウスより速め)。
デトロイト発祥、80〜90 年代。
歌は少ない、シンセとリズムだけで構成。
繰り返し中心、徐々に変化していく。
聴いてるとトランス状態になる、頭が真っ白になる。
代表的な箱・夜:
Forestlimit、Circus Tokyo、Contact 跡地世代の大箱。
「ミニマルテクノ」「ハードテクノ」「アシッドテクノ」みたいなサブジャンル。
テクノは「没入する」が前面で、ハウスより敷居が高めって言われがちだけど、ハマる人はガッツリハマる。
ベース系 (ドラムンベース、ダブステップ等)
低音重視のジャンル群。4 つ打ちじゃない。
特徴:
BPM 160〜180 (高速)。または 140 (ダブステップ)。
イギリス発祥、90 年代から。
低音が体に直接来る、リズムが複雑。
サブベース、ワブルベース、低音の主役感が強い。
代表的な箱・夜:
Forestlimit のドラムンベース夜、専門のオーガナイザーが多い。
身体感覚で楽しむジャンル。聴くというより「浴びる」感覚。
ヒップホップ — 邦楽でも洋楽でも
ヒップホップ DJ パーティーは、別系統で動いてます。
特徴:
BPM 70〜100 (スロー)。
ラップ、サンプリングが主役。
邦楽ヒップホップ (Awich、BAD HOP、PUNPEE)、洋楽 (Drake、Travis Scott、Kendrick Lamar) が混ざる。
知ってる曲率が高め。
代表的な箱:
新宿・渋谷のヒップホップ専門箱、複数あり。
J-POP 流れる? でも書いたけど、知ってる曲で踊りたいならヒップホップは入りやすい。
ディスコ・シティポップ — 70-80 年代懐古
最近じわじわ盛り上がってるジャンル。
特徴:
BPM 110〜120。
70-80 年代のディスコ・ファンク・シティポップが軸。
歌が多い、リフが分かりやすい。
「ナイル・ロジャース」「山下達郎」「松原みき」みたいな名前が出る夜。
代表的な箱:
DJ バー系 (Bonobo、Aoyama Tunnel) でディスコ夜が多い。
これも知ってる曲率が高い。「ジャパニーズ・シティポップ」の世界的ブームで、外国人観光客も来る夜が増えてる。
アニソン・A-POP — サブカルの本拠地
東京固有のジャンルとして、アニソン・A-POP・ボーカロイドの DJ シーンがある。
特徴:
ポップソング・ボカロ曲・アニメ主題歌が中心。
BPM 130〜180 と幅広い。
フロアで歌う、コール&レスポンス文化。
コスプレ・サブカル色の客層。
代表的な箱:
MOGRA (秋葉原) が本拠地。
「クラブ = ハイカルチャー」「アニソン = サブカル」っていう区別は、シーン内では緩い。同じ DJ 文化として動いてる。
どのジャンルから入る?
「知ってる曲率」と「敷居の低さ」で並べると、こんな感じ:
| ジャンル | 知ってる率 | 敷居 |
|---|---|---|
| ヒップホップ | 高 | 低 |
| ディスコ・シティポップ | 高 | 低 |
| アニソン・A-POP | 中〜高 | 低 |
| ハウス | 低 | 中 |
| テクノ | 低 | 高 (没入型) |
| ドラムンベース・ベース系 | 低 | 高 (体感型) |
はじめての人は、左から試すと入りやすい。慣れたら右に進む。
「自分の好み」を探す方法
ジャンル名で選ぶより、最初は箱で選んで、その夜のラインナップを聴いてみる方が早い。
今夜の現場 でジャンル表記を見ながら、気になる夜にとりあえず行ってみる。Shazam で気に入った曲を記録しておくと、家で SoundCloud・Mixcloud で深掘りできて、自分の好みがだんだん見えてくる。
最初は「全部似てる」と思っても、5〜10 回行く間にリズムとテクスチャの違いが分かってきます。