FIELD NOTE シーン文化

音楽詳しくないけど、DJ できる?

音楽の専門知識は DJ の前提じゃない。『DJ したい』と思った時点で素養はある。世代・好きなジャンル・個性の組み合わせが唯一無二になる、シーン内側からの本音。

音楽詳しくないけど、DJ できる? — Pixabay
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「音楽詳しくないけど DJ できますか?」これも本当によく聞かれる質問。

結論から言うと、できます。むしろ、「DJ したい」って思った時点で、十分すぎるくらい音楽を愛してる証拠です。

詳しくない自分に自信が持てない人へ、シーンの内側から本音で書きます。

「DJ したい」と思った時点で素養あり

考えてみてください。世の中の大多数の人は、クラブで「自分も回したい」とは思わない。フロアで楽しんで、終わったら帰る。

でもあなたは、ブースの中を見て「自分もやってみたい」って思った。これ、シーンの中に居場所を感じた証拠で、音楽への愛着がある証拠です。

DJ の中で「音楽オタク」って実は少数派。多くの DJ は、自分の好きなジャンルにハマって、それを共有したいって動機で始めてます。「百科事典的に音楽知ってる」って状態とは違う。

つまり、「詳しくないと DJ できない」は完全に思い込み。むしろ「特定のジャンルへの偏愛」の方が、DJ にとって価値ある資質だったりします。

君の音楽好みは唯一無二

ここが大事なポイント。あなたの音楽の好みって、実はめちゃくちゃ個性的です。

考えてみてください。あなたが生まれた年代、聴いてきた音楽、好きなアーティスト、最初に「これいい!」って思ったジャンル、影響を受けたアニメ・映画・ゲーム — これら全部の組み合わせは、地球上で完全に同じ人はいません。

例えば:

この組み合わせ、誰も持ってない。だから「あなたが DJ するセット」も、誰も再現できない。

これがクラブミュージックの「DJ 文化」の本質。技術じゃなく、選曲の組み合わせ。誰がどんなトラックを並べるか、それ自体がアートになる。

知識より「好き」が大事

音楽オタクの DJ と、好み一直線の DJ、どっちがフロアで強いか。

これ実は、好み一直線の方が強いんです。

オタク系 DJ は、知識をひけらかすセットになりがち。「このトラック知ってる?」「このリミックスも入れとくね」って、フロアより自分のコレクション披露になる。

一方、好み一直線 DJ は、自分が踊りたい曲しか流さない。だからセットに迷いがない。フロアもそれを感じて踊る。

シーンの先輩いわく、「フロアは詳しさじゃなくて、確信を感じ取る」と。

つまり、知識が浅くても、「自分はこれが好き」って確信があれば、それが強さになる。

「詳しくない」状態から始める順番

じゃあ、どう始めるか。順番は:

1. 自分の好きジャンルを 1 つ決める

好きなクラブ系ジャンルが既にあるなら、そこから。無いなら、過去 1 年で「これいいな」って思ったアーティストの傾向から推測する。Spotify の年間ラップを見ると、自分の傾向が見える。

2. そのジャンルの代表的なアーティストを 10 人覚える

ググる、ChatGPT に聞く、Spotify のジャンル別プレイリストを聴く。10 人くらい覚えると、ジャンルの輪郭が分かる。

3. その 10 人のトラックを 30 曲集める

Beatport、Bandcamp、SoundCloud Go+ で。30 曲あれば 1 時間ミックスが作れる。

4. ミックスを 1 本作る

30 曲から 15 曲くらい選んで、1 時間のセットを組む。BPM 順に並べて、繋ぎを試す。

5. ミックスを聴き返して、足りないものを補う

「ここでドロップ感が欲しい」「ここで一旦下げたい」って気持ちが出てきたら、それを満たすトラックを買う。これがあなたの「好み」の言語化。

5 ステップを 3 ヶ月でやれば、もう立派なジャンル知識があります。「最初から詳しい」必要は無い。

通いながら聴く

家での座学だけじゃなく、実際のクラブで聴くのが一番効きます。

シーンに通う重要性 は他の記事でも繰り返してますが、これは音楽知識を増やす意味でも超重要。

通ってる箱のレジデント DJ がどんなトラックを流してるか、Shazam (曲名検索アプリ) で記録する。気になった曲は家で買う。

これを 3 ヶ月やると、特定ジャンルの「今の音」が体に入ってくる。本やネット記事じゃ得られない、現場の感覚です。

知らない曲ばかりでも楽しめる? の記事でも書いた通り、フロアで知らない曲を聴くこと自体が、DJ にとっての勉強。

「客として詳しくない」と「DJ として詳しくない」は別

ちなみに、客として音楽詳しくないけどクラブ行ってもいい? の記事も書いてますが、これは「客として」の話。

「DJ として詳しくない」状態とは、求められるレベルが少し違います。

客なら、知らない曲だらけで全然 OK。詳しさはまったく問われない。

DJ なら、自分が流すトラックは知ってないとダメ。なぜなら、その夜の流れを作る責任があるから。

ただ、「自分が選んだ 30 曲」を知ってれば十分。世の中の全クラブミュージックを知る必要は無い。範囲を絞れば、知識は短期間で十分なレベルに到達できます。

個性を磨くのが DJ の道

ここまでで分かる通り、DJ の道って「音楽オタクになる」ことじゃなく「自分の好みを磨く」ことです。

世代、好きなアーティスト、影響を受けたカルチャー、これらを意識して、自分の「色」を作る。

例えば:

これ全部、シーンに存在します。誰も「邪道」って言わない。むしろ、個性的なほど認知される。

自信を持ってください。あなたの好みの組み合わせは、誰にも作れない武器です。

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ここまで読んだら、現場を見るのが早い

整理した内容は、フロアに立ってはじめて腑に落ちます。今夜の観測から近い時間・近い箱を選んでみてください。

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